自称占い師が玄関先まできて追い返すのに30分かかった話。
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2006-3-10
うちの事務所はマンションの一室でぱっと見会社とはわかりづらいです。
だからあんなお客が舞い込んできたのでしょうが・・・。
その日の14時を過ぎたころ事務所のインターフォンが鳴りました。
お客かと思いドアを開けると年配の女性が玄関の中にズカズカと入り込んできました。
入っていいと言ってないのに入ってきた時点で、かかと落としをお見舞いしそうになりましたが我慢しました。
「最近オープンした姓名鑑定のお店です。今日はたまたま先生と一緒に回ってるので良かったらまずはお顔や手相からみましょうか?」
たまたまに出会えた私超ラッキー。とは思いませんよ。
一緒に回るほどお宅の先生は暇なのでしょうか?
最近オープンしたのに?うける(笑)
するとお鍋の中からじゃなくてドアの影からボワッとその先生が顔をだしました。
その先生は開口一番こう言いました。
「まぁすばらしいお顔立ちですねぇ。」
はい。そうですね。自分でもそう思います。
「人が集まってくるでしょう??」
人はいいからお金が集まってきてほしいです。
「どれどれちょっと手相を・・・。」
そう言って許可もなく私のしなやかな手をみて
「まぁきれいで細くて長いですね。手相も・・・まぁ見たことない手相ですねぇ・」
失礼ですがあなたの経験は浅すぎるのではないでしょうか?
おそらく私のような凡人は世間には溢れていますし、その凡人の手相です。
この程度のインチキ占い師はちょちょいと追い返してやりましょう。
「んん?ここ2.3年で何か大きな変化がありましたね?」
人間生きていれば2.3年の周期で何らかの変化はあります。
ひっかかってたまるか。
『例えば・・・?』
我ながら素晴らしい反撃です。
普通はここで自爆するのでしょうが私はそんな手にひっかかりません。
「えー、そうですね。結婚とか出産とか」
当てられた。
ちっ、指輪をみられたようです。
なかなかやるわね。
『はい、しましたけど・・・。』
「でしょう??」
指輪見れば私だって当てられます。そんなもの。
自称占い師はノッてきたのか続けます。
「最近、身内の方で不幸があったのでは?」
『2年前に母が。。。』
「でしょう??」
負けです。負けでいいです。
だからもう帰ってください。
それからも先生は色々と当たってるような当たってないような事を延々と言っていましたが、「本当にすごい占い師があちらからのこのこやってくるわけがない」と思い込んでいる私は1%も信じることができず、適当な相槌をうちながらおやつのプリンを早く食べたいなぁと思っていました。
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「詳しい鑑定は¥3000になります。」
その声で私はハッっと我に返りました。
結局金とるんかい。と思いつつ「財布を忘れました」と適当に嘘をついて丁重にお断り申し上げました。
「お金は次回でもいいですよ。」
え、また来るの?
どうしよう・・・本当にこの人達帰る気配がない・・・。
こんな時に限って事務所の電話が鳴らない。
『本当に払えません。借金が1000万円あって生活がままならないんです。』
これでどうでしょう。
私なら1000万円も借金がある人からお金は取れません。
すると「先生」はこう言いました。
「またまたぁ!嘘おっしゃい。お金に困っている顔立ちじゃありませんよ。」
今現在、3000円に困ってますけど。
もーなにー?絶対帰る気ないじゃーん。
ここは1000万円借金キャラで押し通すしかなさそうです。
『いやぁ本当にないんですよ、今日も何も食べてなくて。』
コホコホと小さな咳も入れてみる。
いや、なんか何か効果がありそうだったので。
オプションです。
「そうですか。なにか悩み事があったらいつでも連絡くださいね。
千円でも二千円でもみますから。」
え?割引くの??
1000円でも2000円でもいいのに、なんで私から3000円取ろうとしたの?
お金の価値ってなに?
なぜ海は泣いているの?
なぜ山は怒っているの?
てかあんたたち誰なの?
時計をみると30分が経過してました。
立ち話だったので腰痛が悪化しました。
3000円のマッサージに行きたくなりました。
もし私に悩みがあるとしたら
またあなたたちがやってこないか。それだけです。