カフェでお茶していただけなのにそこそこの災難に見舞われた話
スポンサーリンク
2008-12-12
社用で朝一番に銀行に行く事になりました。
寝起きで機嫌が悪いはるひこさんに
「はやくかいしゃいってー、もうかえってこないでー!」
と言われ、早めに家を出て銀行が開くまで時間が空いたので、本でも読もうとカフェに入りました。
数分もしないうちに隣のテーブルに恰幅のよいご婦人が着席なさいました。
みんなのカフェです。大歓迎です。
と、早速ですが大歓迎は取消して、おととい来やがれ!に訂正します。
のちに私はこのご婦人にどえらい目に遭わされます。
何が困るって電話と独り言(大声)がうるさい。
・職場で不当な扱いを受けた事を電話で同僚らしき人に愚痴るも朝の時間帯で忙しいのか、会話の途中で切られる。
・自分の親が風邪を引いて寝込んでおり、鼻水が黄色だったということを誰かへ報告するも、会話の途中で切られる。
・職場で不当な扱いを受けたと思っていたが、それは自分の勘違いだったと気づきその旨また先ほどの人へ報告するが、やはり忙しいらしく途中で切られる。
・今度は違う人へまた親の病状を報告。医者や病院の文句が始まる。
・カフェに入ってきた客に「〇〇部長!こっちこっち!」と話し掛けるも〇〇部長ではないことに気づき「あ、違うか」と呟く。
うん、とにかくずーっと電話するか1人でしゃべっています。
移動しようにも狭い店だし他の席もいっぱいになっちゃってるし
他の店に行くのも面倒だからとりあえずは本に集中してたんですが・・・
「ちょっとお嬢さん。」
「お嬢さん!!」
「ねね!お嬢さん!」
は?あたし?
おそるおそる5秒くらいかけて彼女の方を向くとニコリともせずに一言。
「ちょっとトイレ行くからここ見てて。」
.
えええええ!なんで?
なんで知らないおばさんの
しかもうるさいおばさんの
やっかいそうなおばさんの飲み物のお守りをしないといけないのー
なんでこんなに運が悪いのー
バッグとか荷物は全部抱えて持って行こうとしてるし、
ようするにテーブルの上にある コーヒーを見張っとけということらしい。
面倒くさいので一回無視しました。
「ねぇ!お嬢さん!トイレから戻るまでここ見てて!」
それが人にモノを頼む態度かしらね。
そもそも人が本読んでるのとかわかんないのよね。
めがねはかけてるみたいだけどレンズ入ってないのよね。
あなたがトイレから戻るまで私は身動きできないとかは考えないのよね。
そうだよね。だって私はただの見張り番だもんね。
うんって言わないとずっと言い続けそうだし、漏らされてもたまらないので私は仕方なく頷きました。精一杯の抵抗を込めて、無言で。
それを快諾と受けとったおばさんは小走りでトイレへ向かいました。
テーブルの見張りを頼まれた私は、3秒後にその任務を忘れ 静かになった店内で本に集中しました。
しばらくすると、隣から変な臭いがしてきました。
どんどん強くなってきました。
おばさんの席からです。
本にしおりをはさみ、目をやると。。。
火事でした。
おばさんの吸ってたタバコの火が山盛りの吸殻を燃やし尽くそうとしています。
てか私以外にも周り一杯いるのに誰も何もしないのね…
うん、お守り頼まれたの私だもんね。。
私は消火活動に取り掛かりました。
といっても、私が飲んでいた飲み物で消すしかありません。
おばさんのコーヒーでもよかったけど、何を言われるかわからないので。
なぜせっかく頼んだ飲み物を灰皿にぶっかけないといけないのでしょう。
なぜゆっくり本を読むだけの時間が私には訪れないのでしょう。
自分の運命を呪いながら、必死に消火活動をしました。
無事に消火完了です。
これが家屋なら私は消防署に表彰されるのにと思いました。
「なんで私がこんなことしなくちゃならないんだろう感」は
歴代1位を記録しました。
しばらくして戻ってきたおばさんは
「お嬢さんありがとね。ほんとありがとね。なんかごめんなさいね。」
としつこいくらいにお礼を言いました。
「灰皿の中、燃えてましたよ。。。」
「えー!ほんとぉ~?」
「消しておきました。」
「どんくらい燃えてた?結構燃えてた?」
「まぁまぁ・・・。」
「あらそう。ごめんねぇ。」
え?燃え具合気にした?
それ関係ある?
小さな火だったらなに?
大きな火だったらなに?
最初に謝らない?
これだけの会話で彼女の中にどんな感情が芽生えたのかは知りませんが
それからやたらと話し掛けてきます。
「私、今職場の研修でひどい目に遭っててねぇ」
うん、さっき聞こえてた。
「それから親のことも大変でね…」
それも聞いてた。黄色い鼻水ね。
悪いけど無視しました。
相手すると逃げられないと思ったからです。
私はほんのちょっとしか残っていないコーヒーを飲みほし席を立ち、店を出ようとしました。その時です。
「お嬢さん、お水!!」
まだ何かあるのかよーと思いながら振り返りました。
おばさんは店員に向かってお冷を頼んでいました。
なーんだ。そっちのお嬢さんかよーと思ってそのまま出口へと歩いていると
後から大きな声で
「お嬢さん、ありがとねーーー!!」と叫ぶ声が聞こえました。
もう誰がお嬢さんでどのお嬢さんに言ってるのかわからんわ(笑)
私は振り返らずにそのまま店を出ました。
あのおばさん本当はさみしい人なのかもしれない。
誰彼かまわず電話して、みんなから適当にあしらわれて。
同情の余地はあるけれど、それでも限度ってものがあると思うのです。
静かな場所では大声でしゃべらないとか。
見知らぬ人に留守番頼まないとか。
火の始末とか。
お嬢さんは店内に1人に絞るとか。
ほんと私って「カフェで静かにお茶できる運」がないです。